名前の由来
宮本順三は彦根高等商業学校(現・滋賀大学)時代、彦根に下宿していました。豆玩舎ZUNZOの名前は宮本順三が青春時代を過ごした彦根に由来します。井伊直弼が藩主となる前に文武両道に励んだ埋もれ木の舎の「舎」と滋賀大学・文芸部での宮本のペンネーム「ZUNZO」から、館の名前を「豆玩舎ZUNZO(おまけやズンゾ)」と決めました。子ども~大人の学び舎でありたいとの願いが込められています。
宮本順三(ZUNZO)
1915~2004(大正4~平成16年)
こどもの頃、だれもが手にした小さなおもちゃ―お菓子のおまけ。そのおもちゃ作りに生涯をかけた“おまけ博士”こと宮本順三。
宮本順三は大阪に生まれ、幼い頃よりおもちゃと絵を描くことが大好きでした。彦根高等商業学校(現滋賀大学)時代には、美術部をつくり、中之島洋画研究所へ通うなど、絵画制作に励みました。また下宿の部屋は、滋賀県の小幡人形など集めた郷土玩具でいっぱいでした。
昭和7年 滋賀大学・美術部作品展にて(上)
1935年、20歳でグリコ株式会社に入社。念願の”おまけ係”となりました。こども達を審査員に選び、日本と世界の玩具を参考に約3000種のおもちゃをデザインしました。
小さなおもちゃからは、戦前・戦後、高度経済成長の世の中の移り変わりが伝わります。
1960年頃から、画家として諸民族の「祭りと踊り」をテーマに描き、多くの作品を遺しました。
絵画作品は、大阪城ホール・国立文楽劇場・国立民族学博物館など各地の公共施設に寄贈、沢山の人に観ていただいています。
豆玩舎(おまけや)ZUNZOでは、宮本順三の作品(グリコのおもちゃと絵画)と世界中を旅して集めた人形・玩具・仮面などの民族文化コレクションを展示しています。宮本順三は「おもちゃを通してこども達をゆったり育てたい。」と願っていました。
その思いを受け継ぐ支援者によって支えられています。
豆玩舎ZUNZOの歩み
博物館設立準備~開館~現在まで
1993 博物館設立準備始まる(自宅コレクションの整理・移動等)。
1997 博物館開館準備室(宮本順三・賀子夫妻、指導員・講師2名、文化事業部3名、協力:山三社員)
1998 4月1日 豆玩舎ZUNZO開館(大阪今里)宮本順三83歳の誕生日。
※今もなお大阪の下町情緒を色濃く残す今里、大阪セルロイド会館の3階に豆玩舎ZUNZOは開館しました。
会館が出来たのは1931年(昭和6)、順三の養父・甲造も大阪セルロイド同業組合役員として建設に尽力しました。
1999 第2回なにわ大賞・準大賞を受賞。大阪コミュニティ財団助成金。
2002 8月3日 東大阪市(山三エイトビル)へ移転。NPO法人おまけ文化の会設立。
2004 宮本順三他界。永久館長とする。大阪府CB助成金 学校と地域の学び支援事業
2005 街人講座スタート。文部科学省委託 地域子ども教室推進事業
2006 大阪府都市魅力創造局 大阪楽座事業
2007 東大阪市放課後こども教室推進事業
2008 開館10周年。ZUNZOの愛した祭 第1回サブローごまデザインコンテスト開催。
2010 東大阪市“モノづくり観光”(ホテルセイリュウ)プロジェクトスタート(全国各地から修学生が訪れる)
2011 大阪府商工労働部人材育成事業(小~中学校向け体験講座)
2012 東大阪市地域まちづくり活動助成事業
2013 開館15周年。みんなでこぎ出せZUNZO号
2015 ZUNZO生誕100年
2016 東大阪市まちづくり活動助成金事業「スクラム助成金」
2017 東大阪市まちづくり活動助成金事業「トライ助成金」
2018 文化の駅オープン
開館20周年。第10回サブローごまデザインコンテスト
ZUNZOコレクションの記録
1919 順三4歳、玩具収集始まる。大阪の祭・縁日(住吉大社・四天王寺・生玉神社など)の玩具など。
1927 天王寺中学時代、川崎巨泉の店などで郷土玩具収集。郷土玩具の会「大供会」へ参加。
巨泉『郷土の光』、『郷土玩具東・西之部』(武井武雄著)は宝物。
1930 彦根高等商業学校時代も小幡人形ほか玩具収集。
1934 中国で須知善一氏(大連玩具館館長)と交流・玩具収集。
1935 グリコに入社。豆玩具(おまけ)制作と玩具収集。
1941 グリコ天津工場で豆玩具制作・中国の玩具収集。
1948 豆玩具の製造再開。東大阪の自宅は戦災免れて玩具コレクションも無事に残る。
1959 欧米玩具研究旅行。海外の人形玩具収集始まる。
1978 自宅展示室「わが家はおもちゃ民俗館(毎日新聞記事)」
開館20周年に寄せて
豆玩舎ZUNZO(おまけやズンゾ)は、宮本順三の作品(グリコのおもちゃと絵画)とコレクション(日本各地の郷土玩具、世界の仮面、人形玩具など)を通じて、子どもの文化、世界の民族文化を伝える私設博物館です。全国からの来館者との出会いに支えられ、本年で開館20周年を迎えることが出来ました。皆さまのお力添えのおかげと心より感謝申しあげます。